私たちが安心して暮らせる社会の根底には、必ず「ケア労働」の存在があります。看護師、介護士、保育士、ホームヘルパーなど、支援を必要としている人に対して直接的なお世話(ケア)を提供する仕事です。歴史的に「家庭内での無償の労働」の延長線上として見られがちだった背景もありますが、その実態は極めて高度な専門職です。

【ケア労働ならではの3つの特徴】
1つ目の特徴は、「相手の人生や命に直結する重い責任」です。
ちょっとした見落としや判断ミスが、重大な事故や命に関わる事態を招く可能性があるため、常に張り詰めた緊張感の中で業務を遂行しています。

2つ目は、「頭脳・肉体・感情のトリプルタスク」であることです。
対象者のわずかな表情やバイタルサインから異変を察知する「頭脳」、重い体を支えたり入浴を介助したりする「肉体」、そして不安を抱える相手に寄り添い続ける「感情」。これらすべての要素を同時に駆使しなければなりません。

3つ目は、「数値化しづらい『寄り添い』の価値」です。売上や契約件数のように数字で測れるものではなく、「その人がその人らしい人生を送るためのサポート」という、非常に尊く、同時に評価が難しい成果を提供しています。

相手の命や生活の質(QOL)に直接関わり、深い人間理解のもとに対人援助を行う。決してAIやロボットには完全に任せきれない「人間同士の温かい関わり」こそが、社会にとって絶対になくてはならない究極のインフラなのです。